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日記230629

凍てつく寒さに対するどんな責任も自分に引き受ける覚悟をし、願いも強かった深い眠りから、ぎょっとして目覚めた。この息苦しい部屋の幕が開いて、墓地の近くの小径のなかに窪みを掘った。ただ活動的な表面にせいぜい近づきはするが、非人間的な生活の無意味な上昇にふたたび底の方へ激しく追い返されず、あるいはぼくをどうでもいい存在か、もしくはその羊のあとをいとも簡単にふり切るという唯一の希望をいだいて彼女に微笑した。

(この日記はマックス・ブロート編『決定版カフカ全集7 日記』(谷口茂訳、新潮社、一九八一年)で使用されている語句の引用・組み替えによって作成しました。)

カテゴリー: 日記