電車で、隣に座るひとが眠っていて、お好み焼きのうえで踊るかつお節みたいにあたまやからだがゆらゆら揺れている。首からうえがぐにゃぐにゃ動く様子は、意識のある状態よりも動きが豊かで、かえって生き生きとしているようでもある。時折、逆隣のひとにぶつかって一瞬だけしゃきっとしながらも、変わらず眠りつづけていた。桜上水に到着したところで目を覚まし、先ほどまでのふらつきが嘘かのように、筋肉の緊張が目に見えて(といっても横目ではあるが)感じられる。スマートフォンを操作している。電車が千歳烏山に着くと、さっと起立して、そのひとは降車していった。どこにも到着せずに走りつづける電車があったら、ずっと眠りつづけていられるのかもしれない。
日記210603
カテゴリー: 日記