昨晩に遅くまで通話をしていたせいで、今朝は昼前まで起きられなかった。ここ一年くらい、ひとと話すときの半分くらいは通話だ。相手の顔が見えない状況で会話をすると、誰にどの話をしたのかわからなくなる。この話は前にもしたかもしれないけど、と前置きをして話し始めて、あとになってこの話をしたのは別のひとだったなと気づく。しかしその別のひととの会話も通話で行っていたはずで、相手の顔も見えなければ話をする環境──座り心地の悪い自室の椅子に座ってPCと壁とに向き合っているという景色──も同じだから、どうしても会話の記憶が混在してしまう。記憶は周囲の環境に格納されていて、外部の刺激をトリガーに喚起させられる記憶の予感が先立って、そうしてようやく思い出したことを思い出すのだと思う。しかしだとするならば、顔を合わさずに話す機会しか得られないことの損失は思っている以上に大きいのかもしれない。今日は労働がなかったから、早くに起きて作業をしようと思っていたが、からだをまともに動かし始めたのは昼を過ぎてからだった。十五時頃にやっと外出をして、カフェで書きかけの小説を書き直す。応募の締め切りが今月末であるにもかかわらず、後半の多くを書き換える必要があるような気がして滅入ってしまう。隣に座っていた大学生のおんなのひとが友人とおしゃべりをしている。彼女らは共通の友人について話をしていて、そのひとがどうも「趣味は彼氏」と言っていたらしく、その一言についてずっと疑問を呈しながら笑っていた。今週末こそ書くものを書いて終わりにしたい。さっさと書き上げて応募をして、焦燥感から解放されたい。応募できたところで何にもならないんだけどね。
日記210713-14
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