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日記220725

 メルカリのアプリを開くと4日前に安川奈緒『MELOPHOBIA』が2万2222円で売られていたようで、すでに売り切れていた。どうにか手を出せてしまいそうと思ってしまう絶妙な金額だなと思う。まえにメルカリで同書が6000円で売られていたこともあったし、メルカリもなかなか侮れないと思いつつ利用したことはない。Twitterを見ていると『シン・サークルクラッシャー麻紀』がAmazonや楽天ブックスで品切れているというのでこちらもメルカリで検索をかけてみると「一読しただけです」などの一言を添えてほぼ定価で何件か出品されているようすだった。本を一読してすぐに売るということをしたこともなければ考えたこともなかったから、そういう習慣もあるということにやや驚いたが、それじゃあとわが身を振り返るに、買って一度読んだきり本棚に差しっぱなしの本なんて山ほどある。というか大半がそうだ。たとえ数万出して希少本を手に入れたとしても、擦り切れるほど読み返すなんてことはおそらくせず、せいぜい二、三度読めば御の字で、すぐに新しい未読本に目移りしてしまうことだろう。基本的に飽きっぽい。それを思えば、読み返しもせずただ所有しておくよりほしいひとの手に渡るようにしたほうがよいという考え方は合理的ではある。手放すひとがいるから希少本もかろうじて古本市場に流通してくれるわけだ。それにしてもこの所有権の譲渡によって失われるのはその所有物に立ち戻る可能性であるのだとすれば、著しく低い可能性に夢を見るか、はたまた著しく低い可能性などゼロと同等であると潔く割り切るかという異なる志向性がここにはあり、前者は宝くじを買っているようなものでたしかにあまり賢くはないのだが、それでもたまに500円とか700円とか当たって利益にこそならないが思わぬ喜びに出くわすことだってある。本を読み返すことはあまりできていないが佐川恭一の小説はたびたび読み返している。

カテゴリー: 日記