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日記210223

スーパーのそとでじてんしゃが倒れていた
つめたい風が吹いていて
道ゆくひとたちが
ちくちくする皮膚に耐えている
わたしも
早足で帰路につく
マフラーに顔をうめて
どうでもいいことを きり捨てて

かなしいと笑っている

わたしが生きているという
世界にとってあまりにどうでもいいことが
わたしにとって
とてつもなく重大であると思えてしまうことの切れ目
陸地から
とおくはなれた海のまんなかで
ばたばた とあわただしく
溺れているわたしを
ひとりぼっちにして、

くるしいと笑っている

やがて、疲れはてて
許されたような気になって
校庭にちらばった宝石を ふみにじりたくなる
あともどりできなさへの渇望を
どうにか穴に うめている
夜に
空腹感が、腹立たしかった

カテゴリー: 日記