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日記210422

 朝、電車はそこそこ混んでいたけど目の前に座っていたひとが調布で降りたから、笹塚で乗り換えるまで座ることができた。右斜め前に、ロリータファッションに身を包んだひとがいて、衣類で武装できるのはいいかもなと思った。なにがいいのかはわからないけど、なんとなく、いいような気がする。電車に乗る前の、駅に向かう途中でも、赤と黒のストライプが入ったパンツに黒いシャツを着て、彩度が強めの色が何色かべったり塗られたトートバッグを持ち、足元では下駄を模したサンダルを履いた、独特な志向性を感じる服装のひとが歩いていて、同じようにいいなと思った。私はいつもよれよれのスーツを着て勤務をしている。べつに汚れるわけでもないからワイシャツだけ変えればいいやと、週に三、四日は同じジャケットを羽織っている。武装する気のなさによって、労働に対する意欲のなさや世の中に対する期待の低さを示している。逃げて、あきらめるのではなく、規律の内面化を迫る社会に対して、武装しつづけられるひとのバイタリティに励まされたい。
 夕方頃に京王線で人身事故があったらしく、勤務を終えて帰路に着く時間帯もまだ電車が遅延しているようだった。ホームにはいつもより多くのひとが並んでいて、電車が到着し、順番に乗り込んで、みんなでからだを圧迫しあう。うしろにいたひとが、隙間からするっと腕を伸ばして手すりのつかまるようすが、背中を通じて伝わってきて、そんなところから! と思わず驚いた。車内いっぱいにひとが詰まっていたけど、新宿三丁目でぞろぞろと降り、新宿でまたぞろぞろと降り、目の前の座席が空いて、座ることができた。前に立ったひとが持つトートバッグに「BOOKS & COFFEE」とおおきく書かれていて、よく見ると手紙社というお店のグッズであることがわかる。見覚えのある名前だと思って調べてみたら、Googleマップにはすでに「行ってみたい」の旗を立てられていた。でも一度も訪れたことはない。疲れを感じているわりには寝落ちせず、だけどこころなしか頭痛がする。水分が足りていないのかもと思って、セブンイレブンに寄ってルイボスティーを買う。きょうはすこし暑かったから。

カテゴリー: 日記