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日記241230

昼寝から目覚め、街へ出る。空気は年末特有の微かな緊張感を帯びている。店先には赤く鮮やかな蟹が山積みされ、一瞬目を引くが、それ以外に目立つものは少ない。

耳に残る音楽。スピッツ「ロビンソン」が流れている。軽やかさの中に悲観と楽観が入り混じる。音の風景の中で感情は具体的なかたちを持たず、空気に溶け込むように漂う。その不確かさに想像は掻き立てられる。

講義動画を視聴する。自然法則、反射、行動の違いは、質の違いではなく程度の違いとして提示されるという。激しさと静けさ、短い旋律と長い余韻。それらが同じ軸上で連続的に並ぶとき、対立ではなく、微妙な関係性が浮かび上がる。

夜、友人宅を訪れる。懐かしい音楽が部屋を満たす。Led Zeppelin「Whole Lotta Love」。ロバート・プラントの情熱的な声は、炎のように響いたあと、かなしい余韻を残して消えていく。新しい旋律も耳に届く。起伏に満ちた音波が感覚を鋭く刺激する。過去の音楽と現在の音楽が交差する。それぞれのリズムが静かな夜に絡み合う。

音の流れが空間を満たし、記憶と響き合う。音楽はただ存在し、時間の流れの中で新しい何かを生み出していく。夜は静かに深まっている。

カテゴリー: 日記