日記250207

夢の中で、私はひとり雪に覆われた街を歩いていた。空気は凍りつき、まるで時間そのものが止まってしまったかのようだった。街灯が湿った舗道に淡い光を投げかけ、溶けかけた雪が黒い水たまりとなって冬の空を映していた。人々の影は微かな霧の中に現れては消え、黄色がかったランプの光の下で揺らめく影に過ぎなかった。雪を踏みしめる足音だけが響き、街全体を静寂のヴェールで包んでいた。

そして、彼女を見つけた。

明るく照らされたショーウィンドウのそばに立つ彼女。顔の半分は黒いウールのマフラーの下に隠れていた。長いコートのポケットに手を入れ、凍える空気の中に白い息をそっと浮かべていた。姿の一部は隠れていたが、私は一瞬で彼女だとわかった。胸の奥に懐かしい温もりが込み上げる。それは遠い過去の残響であり、記憶の中で凍りついたまま、ずっと待ち続けていた存在だった。

私たちの目が合った。ほんの一瞬のことだったのに、時間が引き伸ばされ、周囲の世界が霞んで消えていくように感じた。私はためらいがちに一歩踏み出した。彼女は微かに微笑んだ。それは一瞬の、ほとんど見えないほど儚い微笑みで、宙に舞う雪の結晶が光を屈折させて生み出した幻のようだった。

言葉を交わさぬまま、私たちは歩き始めた。その沈黙は重くはなく、むしろ自然で、必要なものにさえ思えた。彼女の歩みは軽やかで、まるで世界の上を浮かんでいるようだった。道は続き、眠る建物の間をくねりながら伸びていた。暗い窓は閉じられた瞳のようだった。

遠くに古い駅舎が見えた。彼女は立ち止まり、それを指さした。
「覚えてる?」彼女は静かに囁いた。

私はうなずいた。忘れるはずがなかった。あの冬の空の下で、私たちは離れ離れになったのだ。ここで道が分かれ、言葉は沈黙へと変わった。それでも、この瞬間——心臓の鼓動の合間に宿る吐息のようなひとときは、どんな後悔にも消し去ることのできない優しさを含んでいた。

私は彼女の方を振り向いた。彼女の瞳は静かで、奥深く、測り知れなかった。しかし、その奥に、微かな期待と壊れそうな希望を見た。

迷いなく、私は彼女の手を取った。

温かかった。凍てつく空気とは対照的に。その親指が私の肌の上でかすかに震えたが、彼女は手を引くことはなかった。むしろ、そっと指を絡めるようにして、今この瞬間を封じ込めるかのようだった。

——そして、すべてが消えた。

暗闇の中で目を覚ます。部屋には私ひとり。夢の余韻が苦い味となって、まだ空気の中に漂っていた。

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