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日記210507

 七月堂で小野美由紀『ピュア』を買い、帰りの電車ですこし読んで、こんな書き方もいいのか、と思う。図書館で本を借り、カフェで読む。帰りにトーチバーナーを買う。夜ごはんはレトルトのミートソースでパスタを食べる。チーズと生卵をのせて、バーナーで炙る。炙ったチーズのうえに納豆をのせる。きのうのやりなおしみたいな一日。労働しないとひととかかわる機会がお店で会計対応を受けるときくらいしかない。ここ何日かはおそらく、発声した言葉の数よりも書き出した言葉の数の方が多い。声を出さないと調子が悪くなることは経験的にわかっているから、詩の朗読をしたり歌を歌ったりするといいかもしれない。しかし労働をしていても声を発さないことには変わらず、労働時はむしろ言葉に対する抑圧すらあるから、おなじ声を発さないにしてもいまのほうがよほどましだ。労働中くらいレジ対応程度のコミュニケーションで済ませてほしい。上司と部下、先輩と後輩、年上と年下、正規雇用と非正規雇用、さまざまに生じる権力関係が言葉を封殺する。そして権威を有する側は大概そのことに無自覚だ。カフェでアルバイトをしていたときは話をしやすい環境で、働くことへの抵抗感もほとんど感じなかったが、それも同年代や同姓のひとが多かったことに由来していたのだろうと思う。これは世代間や性別間で価値観や考え方に差があるとかないとかいう話ではまったくなく、たんにその場における権威性の問題だ。

カテゴリー: 日記