日記210803-04

 Spotifyで尾崎豊を聴いた。中学生だった頃によく聴いていて、同じ部活動に所属していた八柳くんと、尾崎の曲をよくいっしょに歌っていたことを思い出した。おかげで今でもある程度は歌詞を覚えていて、何も見なくとも歌える曲がいくつかあるほどだ。たしか八柳くんは「Scrap Alley」という曲が好きで、この曲を聞くとサビで歌われる「Say Good-bye おんぼろのギター」の箇所がいまだに彼の声で脳内再生されるから笑えてくる。一般に尾崎豊といえば、「15の夜」や「卒業」に代表される鬱屈した日々を過ごす十代のもがきを歌った曲が思い出されるだろうが、他方で「Scrap Alley」は父となり大人となった男がヤンチャだった若き頃を振り返っては当時と決別しようとする心情を歌った曲であり、中学生だった八柳くんが大人目線の曲のほうを好んでいたことは当時から印象的に思っていた。たしかに賢くて大人びたひとだった。歌もうまかった。その一方で、じぶんは「卒業」が好きだった。尾崎は生徒会副会長を務めるほど真面目だったというエピソードは有名だが、真面目ゆえに抱えた抑圧が歌によって解放され、しかし解放されたとて自由に辿り着くわけではないのだというアイロニカルにも聞こえる歌詞(俺達の怒りどこへ向かうべきなのか/これからは何が俺を縛りつけるだろう/あと何度自分自身卒業すれば/本当の自分に辿り着けるだろう)に、どこか共感めいたものを覚えていたように思う。
 気候変動によってマグロの活動域に変化が生じているという記事を読んだ。通常、エルニーニョ現象の起こる年には東の地域に、ラニーニャ現象の起こる年には西の地域に移動する性質を持つが、今後気候を原因に太平洋の熱帯水域がさらに温暖化すると東への移動が大きくなるだろうと見込まれているらしい。環境問題は、人間だけでなく、あらゆる生物に影響を与えるから問題を観察する視点が豊富でおもしろい(深刻ゆえに、おもしろがっていてはよくないのだが)。しかしその視点の多角性が、かえって議論を散漫にするということもあるのだろうか。海外のニュースサイトを眺めると環境問題にまつわる話題は頻繁に見かけるが、国内メディアだと扱いは小さく、あまり情報も入ってこないからわからないことが多い。

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