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日記241229

身体が求めるままに眠りがつづいた。昼寝のさなか、耳元でモーター音が微かに鳴っていた。それは意識の奥に滲み込み、夢の中で不確かな音として漂った。どこかで音を探しているような感覚が残り、目覚めたあとも薄く影を落としていた。

夕方、熱いお湯の中に身を沈め、最果タヒの詩を読む。文字は湯気に混ざり、汗にかき消された。指先や眼球への指示。身体と接続するような錯覚。湯気の向こうで揺れ動く。身体の境界がにじむ。

書かれた文字という存在が湯気を漂う。それが何を引き起こし、どこへ向かうのかを考える。記された言葉の重なりが、世界を切り分けると同時に新たなつながりを生む。言葉が境界を超える。浴槽の縁においた炭酸水を飲む。泡が口のなかではじける音が耳に届く。

夜、動画を視聴する。難解な言葉が語られ、それが積み重なる音の層となる。言葉の響きがそのまま問いとなる静かな夜が揺れつづけている。

手にとれるものの数がすこしずつ増える。書かれた文字、耳に触れる言葉、それぞれが静けさにゆっくりとかたちを変え、沈殿していく。絶えず生まれるであろう新たな問いが不思議といまの時間を満たしている。

カテゴリー: 日記