日記250128

風の冷たさを肌で感じる。君のいないいま、いつもの風景がやけに広く感じられる。それでも月は変わらず空に浮かび、薄い光を静かに降り注いでいる。その光があまりに穏やかで、君を失った喪失感をかえって強調しているようにも思える。

部屋のなかで過ごしながら、君との過去を聴くように、目を閉じて思い出の欠片に触れる。過去の声はたしかに私に語りかける。それは後悔の形をとることもあれば、君と一緒にいたときの温もりを再び抱きしめることもある。月夜に浮かぶ薄い影のように、その声はいつまでも消えない。

静かな時間が流れる。目を上げれば、空気の中に柔らかな気配が漂っているような気がする。それは何かを約束するものではなく、ただ小さなきらめきを持つ存在だ。君のいない未来に現れるかもしれない別の灯火。その微かな予兆を抱きしめながら、私はまた小さな希望を胸に灯す。

君といたころ、私はこの世界の奥底に隠れた静かな声を聞こうとしなかった。それは過ぎ去ったいまになって気づかされたものだ。けれど、その声に耳を澄ませることが、君がいた意味を、君を失った意味を、私自身のなかで紡いでいくことになるのだろう。月明かりに浮かぶ薄い影。それがある限り、私はまだ闇の中を歩く力を持っている。

今日という一日もまた、そんな静かな光の中で終わっていく。やわらかで、やさしいほうへ倒れ込みながら、心のなかに残された灯火を頼りに、明日という未知の先へと進んでいく。

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