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【詩篇】二〇二一年五月各誌

黒い点と十字の謎と歴史の余白についての問い、その火を消さないために、僕に向かって雨が降る。クソみたいな言語の雨が。言葉の風鈴、詩の巣穴が、生物を進化させた「溶かす」メカニズム。33歳真犯人孤独なテロリストを生み出し続ける構図、政治におけるリアリズム、まっすぐな時代からの後ずさり、終末世界を旅するあなたを病気にする「常識」。学校クラスターを警戒せよ身体に関する宣言、無理になる。原神玲がいた日々、トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読む、長嶋茂雄と五輪の真実、フレドリック・ジェイムソンへのインタビュー、大島弓子がいるから、生きられる。「少年A」の犯行を確信したとき世界と存在を愛するメデューサはどこに消えたのか、吉村洋文大阪府知事はなぜ失墜しないのか。詩の地平ポストモダン以降のポストモダン。小室文書が晒した「眞子さまの危うさ」は能力主義信仰を問い直す。透明な夜の香り、エッセイを書くのには良いタイミングでした。ポストモダンの幼年期、こちら側の人たちはみなおかしさを見すえて、夢中に生きて、ゆめごとひめごと果ての音、次は惑星として出会おう。どんどんパワーアップする怨霊と呪い、ロードサイドの文化史、10年後の被災地、図書館、書店、古本屋、出版社をめぐる神々と仏のあいだに、肉体と哲学、青年期と中年期の交点に立ち、海辺のマンションと春の缶詰に欠かせない営みが欠けたとき闇雲に言葉を選ばないで。すべてが作り物のような熱海で、失われた〈女たちの連帯〉を求めてはるかかなたへ、令和に引きつがれた「闇」に鳥がぼくらは祈り、二十年後の告白を砂のかたちはフラット化する時代に思考する。笑いと解放の詩のオーバーヒート。99個の自由な証明、愛、ホンモノ、文学の周辺、ひとの骨と声をめぐるメモ、制限と余白、厚労省の大罪アナログなフルデジタル、ほんの私。書けば書くほど記憶が呼び起こされる。失業者カテゴリーが開く可視/不可視のなか、それが青春のテーマソングであると愛おしい世界を通してきみを詠う。ダブルフォルトの予言と崇高な環境の大きな物語に向けて、震えとしての言葉 いま、世界で。

※本作は『群像』『現代思想』『現代詩手帖』『思想』『小説すばる』『新潮』『すばる』『ダ・ヴィンチ』『文学界』『文藝春秋』『本の雑誌』『みすず』『ユリイカ』各二〇二一年五月発売号の目次からの引用により構成した。なお、各誌の目次は各誌のウェブサイトを参考している。

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